轍鮒之急

マンガ、アニメ、映画、ゲームの感想書き散らし

2023年オススメマンガ選【後半・完結作品】

こんにちは。キセキです。

 

前半に続いて、後半では2023年に完結した作品からオススメをピックアップしました。あくまで私が連載を追っていたもののうち、単行本で完結巻が出た作品が対象なので、そこはご承知おきを。それでは早速紹介していきたいと思います。

前半はこちら。

kiseki-camerupt.hatenablog.com

 

【完結作品選】

 

かぐや様は告らせたい

高校生達の恋愛頭脳戦を描いたラブコメディ。高校生ラブコメの新たな形を生み出した先駆的な作品として、本当に面白かったです

内容についてはもはや説明不要だと思うので省略しますが、「【推しの子】」で初めて赤坂アカの作品に触れた人にも是非読んで欲しい。全28巻と多いのが少しネックですが、それに見合う価値は絶対にあることを保証します。

 

「隣のお姉さんが好き」

男子中学生と女子高生が一緒に映画を見るなかで仲を深めるラブコメ登場人物達のやりとりの面白さと、会話を重ねることで2人に成長を感じられる物語が魅力の一作

素直で思ったことがすぐ言葉や行動に出てしまう中学生・佑と、映画を見るのが好きな隣の家の高校生・心愛の2人がメイン。初めは佑が心愛に好きだという気持ちを伝えてものらりくらりと躱されますが、一緒に映画を見ることを繰り返すなかでお互いに自分の考えを見つめ直していきます。

作中の会話の面白さは流石だな、という風格。作者の藤近小梅は「好きな子がめがねを忘れた」でも台詞回しの上手さが際立っており、本作でもそれは遺憾なく発揮されていました。

物語の中心である、2人の精神的な成長の描写も素晴らしかった浅慮で何でも口に出していた佑は、色々な映画や心愛の言葉に触れて視野を広げていき、より深く考えたり伝えるための言葉を増やしていく。自分の中でグルグル考えてしまいがちな心愛は、気持ちを素直に口に出したり簡単な言葉で伝えていいことに気付く。お互いがお互いに刺激し合い、最後にたどり着いた結論は深く頷いてしまいました。

藤近小梅が描く男子中学生、あまりにも解像度が高くていつも驚かされます。全4巻なので、藤近作品にまだ触れたことのない方に入門としてオススメです。

 

「ちょっとだけ抜けちゃう柊さん」

高校生のほっこり系ラブコメディ。天然鈍感女子と奥手純情男子がひたすらに甘いラブコメをする作品です。完全に個人的な趣味にマッチしていました。

クラスメイトの柊さんに一目惚れした男子高校生・小鳥くんが、天然で抜けているところのある柊さんの手助けをしていくうちに、段々と仲が深まっていくストーリー。

あらすじを書いていて何か既視感を感じましたが、実は前述作品の作者・藤近小梅の人気作「好きな子がめがねを忘れた」と実質同じです。好きな女子と話して照れている純情な男子、みたいなキャラクターが癖なので、僕にとって小鳥くんはとても理想的でした。それ以外はまあそこそこ面白いかな、というレベルだと思っています。

全6巻で集めやすいので、気になればどうぞ。同じ癖の人には絶対ハマると思います。

 

「少年を飼う」

     

仕事の出来る30歳OLとマイペースな男子高校生が同居するドラマ風作品。登場人物達の心情の機微を感じられる物語と、その表現力の高さがとても気に入っています

会社でも一目置かれるOLの森川藍が誕生日に1人で飲んで帰ると、家の前に見知らぬ少年が座り込んでいて....。姉の再婚相手の息子である遠野凪沙と藍が共に暮らすことで、自分の感情に鈍感だった凪沙は日々成長していき、藍にも変化が訪れる日常ドラマ。

劇的な始まりではあるものの、穏やかに進む日常とそれに伴う2人の緩やかな変化を丁寧に描いています特に凪沙の表情の描き方にはこだわりを感じ、無表情だった最初の頃から段々と感情が読み取れるようになっていく様子は、彼が成長していることがよくわかるようになっています。また登場人物同士の落ち着いた会話シーンは特徴的。この人達人生何周目?とさえ思うほど、人間として卓越しているところもありますが。

本当に好きな作品なので、今回紹介する中でも一番読んで欲しいと思っています。1巻だけでも手に取ってください。良ければそのまま全6巻買いましょう。

 

「それでも歩は寄せてくる」

     

からかい上手の高木さん」の山本崇一朗が送る高校生将棋部ラブコメディ。超順当な両想いラブコメと、鉄板のデコ広女子が楽しめる作品

舞台は高校の将棋部。部長の八乙女うるしのことが好きな、後輩の田中歩はうるしに将棋で勝って告白するために奮闘中。そんな事情を知らないうるしが、歩の言動に振り回されながらも徐々に惹かれていく様子を中心に、将棋部の面々や友人との日常が展開していく物語です。

両想いラブコメとして極めて真っ当な作品。雰囲気は「高木さん」を高校生&男女逆転&両想いにして、まどろっこしさを6割減にした感じ。身も蓋もないことを言えば、二番煎じ。でもそれでいいんですよ、山本崇一朗の描くラブコメが読みたいんだから。なのでデコ広女子がちゃんと出てくるのも単純に嬉しいです。個人的には桜子が好きです。

「高木さん」も連載は終えているみたいなので、山本崇一朗作品がこの世から失われる危機です。次作はどんな作品になるか思いを馳せつつ、全17巻の本作も是非どうぞ。

 

「うちのメイドがウザすぎる!」

ロシア系美幼女ロリコン自衛官メイドのおねロリ(?)コメディ。達観毒舌オタク少女とハイスペック変態メイドが繰り広げる日常は、クセになる面白さ

母の再婚相手の父と日本で暮らすロシア人の女子小学生・ミーシャ。母を亡くしたことで引きこもっていた彼女の家に、父が雇った家事手伝いの鴨居つばめがやって来ます。実は鴨居は重度のロリコン&元自衛官筋肉ウーマン&ハイスペックメイド。ウザすぎるほど付きまとってくる鴨居により、ミーシャは自然と前を向き、外の世界に逃げ飛び出していきます。ミーシャの成長物語的な要素もある、おねロリコメディ作品です。

ミーシャが学校に行けるようになり、友達もでき、成長していく様子はしっかり描かれますが、それを濁すほどのキャラの濃さがこの作品の魅力一部はかなりの変態ですが、不快感のないところが絶妙です。ミーシャは引きこもっていたこともあり、結構オタク。ロシア人ロリの口からオタク語彙や正論、毒舌が出てくるのは、ギャップが凄いです。一方の鴨居はミーシャとの将来まで見据えるガチのロリコンですが、そこを除けば超常識人。大人としての振る舞いが上手いこともあり、不快感はあまり感じません。こういう一線をしっかり引けるのは作者の設定構築力の高さが窺えます。

マンガは全10巻です。個人的にはアニメから入るのもオススメ。制作が動画工房なのもあって、非常にクオリティの高いアニメです。MVが結構話題になったので覚えている人もいるかも。

 

魔法少女事変」

          

魔法少女に変身できるようになったサラリーマンが戦うアクションコメディ。非常に面白い設定なだけに、打ち切りENDがとても惜しい一作。

物語は社畜サラリーマンの佐倉ひろみ(男)が、化け物に襲われていた少女を助けようとしたらピンク髪の魔法少女に突如変身したことから始まります。幼馴染の御曹司や新入社員の後輩が事件に巻き込まれる中で、他の魔法使いや黒幕らしき謎の少女と出会い事件の真相に徐々に近付いていきます。

設定とそれを表現する画力は非常に素晴らしい作品キャラクターも魅力的だし、コメディも面白いんですが、何故か3巻で打ち切りになってしまったので悲しみ。確かにストーリー間のギャグ要素が若干多いとか、顔芸が多すぎるとかは問題点として挙げられますが、それを補える物語への期待値はあったと思っています。

作者の次回作に期待しつつ、このマンガも布教していきたい。全3巻、読んでみてね。

 

「ふたりエスケープ」

     

一緒に暮らす先輩と後輩の日常コメディ。現実逃避を重ねまくる2人の掛け合いの面白さと、リアルでは諦めがちな逃避を疑似体験できる部分がとても良い

〆切に追われる漫画家の後輩の気持ちを明るく切り替えるために、同居している先輩(無職)が楽しい現実逃避の提案をしてくれる日常を描いた作品。黒髪が後輩、金髪が先輩です。

誰しも1回は考えたことがあるけど理性で抑えている現実逃避を疑似体験できます。スマホをポストに投函して仕事から解放されたり、真夏に冷房ガンガンにつけてこたつで鍋したり、深夜に少し遠い駅から家まで歩いて帰ったり。やりたいけど出来ない。そんなことをやってしまう彼女達を見ることで、こちらもそれを体感できる画期的な作品です。ちなみに、オチは大体現実逃避のツケが回ってきます。

2人の会話もテンポが良く、コメディとしての面白さもちゃんとあります。百合姫からの出版ですが、百合要素は薄めです。全4巻。

 

「世界で一番おっぱいがすき!」

女子高生達による、おっぱい百合コメディ。おっぱい好きな女の子のおっぱい愛に圧倒されるとても楽しい作品です

メインは、おっぱいを愛している女子高生・千秋と、そんな彼女におっぱいを一目惚れされた他校の女子・はな。放課後の部室でおっぱいを揉む日常を送りながら、2人の関係少しずつ変化していく百合コメディです。

おっぱいコメディの名に恥じない、おっぱいネタの宝庫おっぱい愛で若干狂っている千秋と、実は千秋のことが好きで時々暴走するはなのやりとりも見所満載。いきすぎた愛でおっぱいを揉むだけでは飽き足らず、おっぱいに包まれたり、ビンタされたり。挙句の果てには、夏はおっぱいに限るとか言い出したり、夏祭りで花火も見ずに浴衣おっぱいを堪能したり。ちゃんと節度は守ってるから安心してください。

おっぱいはたくさん出てきますが、エッチ度合いは低いのも良いです。まあ、関係が進展すると段々とそうではなくなっていきますが、それは自然の理なので致し方なし。

そろそろおっぱいがゲシュタルト崩壊してきたので、この辺で。興味が湧いたら、全8巻の本作を買ってみてね。

 

「世話やきキツネの仙狐さん」

世話やきのじゃロリキツネと一緒に暮らす日常コメディ。読んだら誰しもが、嫁兼ママ×もふもふの仙狐さんに存分に甘やかされて~、となること間違いなし

サラリーマンの中野が家に帰ると、不思議な力とキツネ耳&しっぽを持つ仙狐さんがご飯を作って待っていたところから、2人の同居生活が始まります。お隣さんや同僚だけでなく、新たなキツネやタヌキも加わって、日常が展開していく作品です。

中野が全肯定の仙狐さんに甘やかされてダメにされるのを眺めて羨む。ただそれだけあー羨ましいー。全人類の夢だろ。早くこうなりたい。それはそれとして、実は仙狐さんがやって来て甘やかしている理由は明確にあるので、物語としての展開もそこそこは楽しめます。最後は大団円。

ちなみに不定期で連載は続けるようなので、本当の完結ではありません。夢のような生活を見たい人は、全12巻を是非読みましょう。

 

以上、今年完結した作品の個人的なオススメでした。気になる作品がもしあれば、2024年のマンガ読み初めに是非どうぞ。

それでは、よいお年を。