轍鮒之急

マンガ、アニメ、映画、ゲームの感想書き散らし

【2】五等分の花嫁

こんにちは。キセキです。

 

完結マンガ感想、第二回目は「五等分の花嫁」です。

1. 作品概要

「五等分の花嫁」(全14巻)

作者: 春場ねぎ 出版社: 講談社 ジャンル: 恋愛, コメディ

あらすじ

貧乏な生活を送る高校2年生・上杉風太郎のもとに好条件の家庭教師アルバイトの話が舞い込む。ところが教え子はなんと同級生!!しかも五つ子だった!!全員美少女、だけど「落第寸前」「勉強嫌い」の問題児!風太郎は、超個性的な彼女たちを「卒業」まで導けるか――!!

単行本1巻裏表紙より

 

アニメ化、映画化もされており、ヒロイン論争もたびたび起こったヒット作品。パズルゲームも出ています。私はマンガは完結してからまとめて買い、アニメは見ずに劇場版だけ観に行きました。

最終的なネタバレはせずに、感想を記していきたいと思います。

 

2. 舞台設定

物語は現代の日本を舞台に進んでいきます。特殊な設定もほぼありません(多分)。強いて言うなら中野家の家庭環境がやや複雑という程度でしょうか。

高校生ラブコメとしては至って一般的な設定なので、作品への入りやすさは間違いないと感じます。

 

3. ストーリー

この作品の1番の肝です。最初に"風太郎が五つ子の中の誰か一人と結婚する"というゴールが明確に描かれます。風太郎の恋愛感情が等しくゼロから始まるので、読者は安心してヒロインレースを楽しむことができます。ぽっと出の幼馴染キャラがヒロインに昇格するとか、最初に両思いだったヒロインが負けるとか、全員の分岐ルートが存在するとかいう事態が起きないわけです。

ゴールが明確なので、風太郎が五つ子と仲良くなっていく過程、ヒロイン達が恋愛感情を抱く過程などを順当に踏んでいくストーリーは非常に明快で面白いです。やはりストーリーの分かりやすさは物語作品として重要ですね。

個別エピソードはほぼ全てストーリーの進行に絡んでいて、完全な寄り道回はないです。すごい。その一方で、必要な場面を端的に組み上げているためか、コマ間で場面が飛ぶときがある印象。完全に理解するのに2,3周することもあり、若干親切ではないなと思いました。あと単行本で読んだせいかもしれませんが、終盤に割と重要そうなキャラがぽっと出てきてすぐ退場するのは、残念でした。

終わり方は、ゴールに合わせて納得感のある内容でした。ストーリーのクライマックスである文化祭編の最終回 (14巻 第114話 最後の祭りが風太郎の場合②) は、特に好きな回です。

明快なゴールとストーリーという意味で、非常に完成度の高い作品だと改めて思いました。

 

4. キャラクター

主人公とヒロインを紹介します。ヒロイン達の可愛さは折り紙付きです。

(以下、キャライラストは劇場版のものです。)

 

上杉風太

本作の主人公。本作は勉強以外は不要と切り捨てていた彼が、五つ子と家庭教師として交流する中で、交友関係や恋愛、夢といったものの大切さに気づく物語でもあります。常識と最低限の良識は備えているので、ラブコメ主人公としてそんなに嫌いではないです。

 

中野一花

五つ子の長女。駆け出しの女優をやっていて、長女なこともありお姉さん基質です。ヒロインレースには序盤から参戦していましたが、中盤結構危うい行動をしており怖かったです。4番目に好き。

 

中野二乃

五つ子の次女。料理が得意で、姉妹思いなツンデレキャラ。ヒロインレースには中盤からの参戦ですが、火力が高く、とにかく強い。普通のラブコメヒロインができないことをやってのけます。3番目に好きなキャラ。

 

中野三玖

五つ子の三女。引っ込み思案な性格のおとなしいキャラです。でもやるときはやる。おとなしい分、積極的になったときの威力がすごいです。ヒロインレースは最序盤からの参戦ですが、その性格が災いして次から次へと参戦されてしまいました。私は五つ子の中で1番好きです。

 

中野四葉

五つ子の四女。活発な性格で、運動神経抜群。お人好しな面もあります。ヒロインの中ではトリッキーな立ち位置にありましたが、参戦時はなるほどなあ、と思わされました。そんなのずるいじゃん。2番目に好きです。

 

中野五月

五つ子の五女。真面目だけどおっちょこちょいなキャラ。風太郎と最悪な初対面の仕方をしますが、あれは彼が100%悪い。普通に可愛いキャラですが、個人的には参戦していないと思っているので、5番目に好きです。

 

圧倒的な可愛さを誇る五つ子と主人公として不快さがほぼない風太郎。ラブコメのキャラ造形としては申し分ないと思います。

 

イラスト引用元

キャラクター情報|映画「五等分の花嫁」公式ホームページ:TBSテレビ

 

5. 独自性

この作品の大枠は一般的なラブコメと同じです。主人公が性格の異なる五人の女の子の家庭教師になる。構図としてはよくありそうな気がします。

しかし、"五つ子"という要素は圧倒的な独自性があります。例えば姉妹だと年上、年下という概念が発生するし、同級生だとヒロイン達がいつも一緒にいる構図には無理が出る。全員を等しい位置からスタートさせ、機会を平等にし、ヒロイン同士の関係にも意味を発生させる。"五つ子"はラブコメにおいて非常に画期的な設定であり、今後同じ設定の作品は生まれ得ないという唯一無二性にあふれています。

 

6. 絵柄

基本的に画力が高く、安定しています。あととにかくヒロイン達が可愛い。女の子の可愛いさという意味では、これまで読んできたマンガの中でも随一だと思います。流石春場ねぎ先生ですね。

 

7.まとめ

圧倒的な人気を博した「五等分の花嫁」。それは、明確なゴールと無駄のないストーリーヒロイン達の可愛さ、そして"五つ子"という唯一無二の設定が織りなす、まさに"完璧な"ラブコメ作品でした。現代のラブコメマンガを語る上では絶対に外せない作品であることは間違いないと思います。

 

それでは。