轍鮒之急

マンガ、アニメ、映画、ゲームの感想書き散らし

2024年オススメマンガ選【後半・完結作品】

こんにちは。キセキです。

 

前半に続いて、後半では2024年に完結した作品からオススメをピックアップしました。あくまでも僕が連載を追っていた作品から選んでいるので、「ヒロアカ」「呪術廻戦」あたりは取り扱いません。どっちもそのうち読みたいとは思っていますが。あと「【推しの子】」については、単行本は全巻持っているんですが、1巻すら読んでいないので今回はパスです。評判は知ってる。それでは紹介に入ります。

前半、新規購入作品はこちら。

kiseki-camerupt.hatenablog.com

 

【完結作品選】

 

 

からかい上手の高木さん

     

素直になれない中学生同士のからかい青春ラブコメディ。「〇〇さん」系の走りとも言われる中学生ラブコメの金字塔です。

男子中学生の西片が隣の席の高木さんにからかわれる日常を描いた作品。最初期は時系列があまり考慮されていない日常系という感じでしたが、あるところを境に話の前後関係が明確になり、周囲のキャラクターを活かした話も。そのあたりから高木さんの心情描写や西片の気持ちの変化にもスポットライトが当たり始め、ラブコメとしての立ち位置が明確になりました。

女子優位の1対1ラブコメとして不動の地位を確立した作品1対1ラブコメというジャンルを少年漫画に取り込み、さらに女子優位というシチュエーションを新規開拓した功績は計り知れません。思春期により恋愛感情に素直になれず照れまくる中学生男子に、一足先に恋愛感情を知った女子がちょっかいを出す、という構図は、その手があったかと言わざるを得ないほど最高のシチュエーション。これを世に送り出しただけでも素晴らしいことですが、実際に彼らの日常を面白く描き続け、時には高木さんの気持ちも見せてラブコメらしさも出してくる手腕は流石です。

また、4巻1話収録の大人版高木さんも語らずにはいられません。読者さえもからかってくる(元)高木さんには、当時大変衝撃を受けました。成長した姿を出しつつ純愛であることを暗示する方法論としてもそうですが、作品としての底の知れなさを見せつけられる、そんな演出には素直に感服。

ストーリーはあってないようなものですが、西片が高木さんへの恋愛感情を認めるのが作品としてのゴール。ここまでの積み重ねがあったからこその最終回も非常に良かったです。

スピンオフ作品も多数発表された紛れもない名作ラブコメでした。初出はなんと10年以上前(!?)という。1巻を今読み返すと西片も高木さんもだいぶ別人です。改めてラブコメの一つの歴史を築いた作品に感謝しつつ、まだ読んだことのない方にオススメしたいと思います。全20巻です。

 

「好きな子がめがねを忘れた」

     

よく眼鏡を忘れてくる三重さんと、隣の席の彼女のことが好きな小村君によるラブコメ作品。「高木さん」とはまた一味違った中学生ラブコメの傑作

三重さんに片思いしている小村君がたびたび眼鏡を忘れてくる彼女を助けることで、三重さんも段々と小村君に信頼を寄せるようになっていく、というストーリー。そんな徐々に距離が縮まっていく2人の中学三年生の約1年間が描かれます。基本的には小村君が主人公で、物語の大半は彼の思考ベースで展開。サブキャラ回はほぼなく、完全に2人の物語です。

どこまでも純粋な2人による最高のラブコメ序盤は小村君の片思いなので、三重さんの突拍子のない行動にハラハラドキドキさせられたり、好きを拗らせた感情や行動がでてしまう小村君を眺めて楽しむ、という感じ。中盤からは三重さんの小村君への好意と小村君の決意が合わさり、じれったさや微笑ましさが強くなり、そして終盤には付き合い始めた2人が一緒に歩んでいく様子が描かれ、良かったねえと言いたくなる。ピュアな2人の物語だからこそ、1対1ラブコメの醍醐味である成長や変化といった要素が最初から最後まで詰まっていました。

また台詞回しの巧さ、特に小村君の面白さは流石。作者の藤近小梅の持ち味が存分に発揮されていました。中学生男子が絶対言う筈ないのに、絶対言いそうな台詞をだしてくるからすごい。同級生たちや2人の親たちも良い人たちしかいないし、発言がちょいちょい面白いので、そこにも注目してほしいです。

まあ眼鏡はそんな簡単には壊れないとか、三重さんの視力がやばいくらい低いとか、設定の粗がないかと言われれば嘘にはなりますが、ほとんど序盤の設定なので終盤には気にならない程度に調整されています。

「高木さん」が中学生が恋愛にたどり着くまでの物語だとすれば、「好きめが」は中学生が恋愛に真正面から取り組む物語だと思います。本当に2人で幸せな道を歩んでほしいと心から願える、そんな小村君、三重さんでした。全12巻です。

 

「よふかしのうた」

     

吸血鬼になりたい少年・コウと吸血鬼であるナズナが、夜の世界を共に過ごすジュブナイル作品。コトヤマワールド全開で綴られる青春、コメディ、アクション、恋愛が見事に融合した物語に脱帽

物語は、無為な学校生活に嫌気が差して登校しなくなった中学二年生のコウが初めて夜中に家を出て歩いていると、見知らぬ女性・ナズナに出会うところから始まります。ナズナに血を吸われたコウは彼女が吸血鬼であると知り、なぜ自分は血を吸われたのに吸血鬼にならないのか尋ねると、吸血鬼に対して恋愛感情がないと眷属化しない、とナズナが答えます。『吸血鬼になる』という初めてのやりたいことを得たコウが、ナズナに恋をしようとするというストーリーです。

味のあるキャラクター、独特なテンポ感の会話、引き込まれる空気感という三拍子揃った中でストーリーが展開されていく、完成度の高い作品。作品の主題は、コウが夜の世界でナズナ、幼馴染のマヒルやアキラ、他の吸血鬼達、眷属化した人、吸血鬼を殺そうとする探偵といった様々な人々と出会い、言葉を交わすことで、新しい考え方や感情を知り自分の生き方を見つけていく、というもの。そのため登場人物全員の行動原理に芯が通っているし、無意味に見える会話にも何かしら意味がある。そして、夜を自由に生きる人たちが醸す空気は、昼間にはない何かを感じ取ることができます。すべての要素がパズルのようにピッタリハマっていくストーリーは、素晴らしいとしか言いようがありません。

特にキャラ同士の個性と相性を踏まえた会話シーンは唯一無二の面白さ。いつもの2人がする会話も初顔の組み合わせでの会話も、真面目な内容の会話も何気ないふざけた会話も、違和感のある会話がないしそれでいて面白い。言葉の選び方、間の描き方がとても上手いです。

いつまでも続きそうな "夜" の時間も、コウの精神的成長や人々との別れと共に終わりが近づき、 "朝" を迎える。そういうメッセージを感じ取れる結末でした。読後には作品に漂う雰囲気に飲まれる感覚も感じられるほど強力な作品。全20巻、200話ぴったりの物語をぜひ楽しんでみてください。

 

「神さまがまちガえる」

     

毎日"バグ"が起こる世界で唯一バグらない研究者・かさねと、かさねが管理人の下宿で暮らす男子中学生・紺が送る1話完結型の日常系コメディ。丁寧な世界観設定とその設定を十二分に活かした面白さ、そして日常の雰囲気に惹きつけられる作品です。

世界共通で必ず1つ常識では考えられないバグが起こる世界が舞台。バグの種類は大小さまざまで、特定の生き物の模様が変わる、眠れなくなるといったものから、物が壊れなくなる、なりたい年齢の姿になる、世界が停止するなど。時間も規模が大きいものは数分で、影響が小さいと数日間続くものもあるようです。そんな世界を舞台に、かさねと紺がバグを調べながら日常を過ごしていきます。なお、かさねは人間を対象とするバグ(眠れなくなる、世界が停止する等)の影響を受けない貴重な人物です。

興味深い設定の世界を非常に丁寧に構築しながら、その中で起こる日常を見事に描いていますともすれば容易に設定が破綻しそうな世界観ですが、バグの種類の調整やバグが起きた時の社会や人の対応の仕方などが巧妙で、すっと頭に入ってくるし不自然なところも見当たりません。これは素直に感動しました。まあ物理的にどう、化学的にどうみたいな話をするとつまらないので、ここでは封印しているのはありますが。物語も普通の日常風景の中で進めていくので、自分がこのバグの中で暮らすなら何をしたいかな、なんてことを想像しながら楽しめました。

基本的に1話1バグの1話完結型で読みやすいのもいい。登場人物はみんな常識的な一般人で、本当に日常という感じです。様々な場面でにじみ出る紺の男子中学生っぽさは、個人的にとても気に入っている要素です。

最終話はバグという題材を活かした綺麗な終わり方であり、満足感と共にもっと続きが読みたい、とも感じました。かなり気に入っている作品なので、日常系が苦ではなければぜひ。全4巻です。

 

「デビィ・ザ・コルシファは負けず嫌い」

     

最強の悪魔・デビィと普通の男子高校生・六郎が人類の命運を賭けて勝負.....もとい暇つぶしをするコメディマンガ。ザコなのにすぐ調子に乗るデビィが圧倒的に面白い、日常系ギャグの名作

話の基本は、魔界からやってきたデビィに六郎が人間の遊びで応じて勝負するという構造。デビィはザコで小学生的感性なので、素直に楽しんだり、恥ずかしがったり、怖がったりといろんなリアクションをしつつ負けるのがお約束。日常系ですがサザエさん時空ではなく、六郎が高校を卒業するまで時間が経過していきます。六郎の進路関係や季節のイベントもしっかりある。

作品の中心となるデビィがあまりにも面白い。最強の悪魔の名の如く、腕っぷしだけは間違いなく最強ですが、それ以外は基本的にザコ。すぐ調子に乗って煽りを入れてきたりもしますがどうせ負けるし、負ける時も様々なリアクションで楽しませてくれます。デザインも完璧で、可愛さも兼ね備えつつ顔芸もできるまさに最強の悪魔です。

また六郎をはじめとした周りの登場人物は、常識人でありながらキャラが濃く展開を広げるのに大活躍。また悪魔側のキャラクター達はデザインも素晴らしいです。凛々しいけどカワイイもの好きな巨乳団長、デビィが大好きすぎて変な方向に行ってしまう後輩女、影に潜む陰オタク巨乳デカ女、ドSな巨乳メイドなどなど.....。作者の性癖がよく表れていますね。ちなみに僕が一番好きなのは、デビィの従姉妹で六郎に惚れている腹黒メスガキキャラのエルメスです。

コメディ要素はデビィがボケて周りの人間が突っ込む形が基本。掛け合いのテンポがよく非常に読みやすいです。進路の話などちょっとしんみり系の話もありますが、上手にネタに昇華して最後は面白く料理しています。ラブコメ要素はエルメスが引っ張ってくれていますが、六郎がハーレムを意識しないようにしている裏設定やデビィが恋愛方面もザコすぎるのもあってスパイス程度です。

日常系コメディとして、今までで一番楽しませてもらったといっても過言ではない作品でした。全9巻で集めやすい部類なのもおススメポイント。特に単行本のおまけがかなり多い上に、どれも面白いのでぜひ単行本で読んでほしいです。

 

「翼くんはあかぬけたいのに」

     

高校進学を機に田舎から東京に出てきた速水翼と、クセの強すぎるシェアハウス住民や同級生達が繰り広げるハイテンション日常ギャグ。本当に何でもありのてんこ盛りで爆笑すること間違いなし

日常生活やイベントを題材に登場人物たちが掛け合いをする、四コマベースのギャグ作品です。各キャラの個性を活かしながら、顔芸や下ネタなんかでも笑いをとってくる感じ。ギャグに終始する話が多いですが、ラブコメやホラー回もあったりと、ジャンルは多岐に渡るのも特徴です。

超濃厚なキャラたちによるスピード感のあるハイテンションギャグが特徴その登場人物はというと、オシャレ恐怖症クソダサ高校生の翼を筆頭に、小3男子思考のおバカJK、元V系中二病アラサーカフェ店長、重度のCP厨ショップ店員、ドM美容師といったシェアハウスメンバーに加えて、ムッツリドスケベな女優JK、横文字理解不能なイケメン大和ゴリラなどの同級生も。見た目はいいキャラたちが、強烈な個性を引っ提げながら凄まじいバカさとボケをどんどんかましてくるので、息を吐く間もありません。何回腹が捩れるほど笑ったことか.....。大体全員がボケもツッコミも担当するので、立ち位置が目まぐるしく変わることも多いです。

たま~に真面目なラブコメをしそうな雰囲気の時もありますが、不意を突いてギャグを入れてくるので絶対に笑わされてしまいます。翼の成長要素もあり、段々とあか抜けていったり、いかなかったり。ホラー回ももちろん面白要素は混ぜ込んできますが、オチは割とちゃんと怖い。

この作品は本当に爆笑してしまうことが多々あったので、ギャグとしての面白さはピカイチでしょう。たとえ最終巻であろうと最後の最後までボケ散らかす、その執念には感服です。全14巻。心の底から笑いたい人は、ぜひ手に取ってみてください。

 

「霧尾ファンクラブ」

     

同級生の霧尾のことが好きな2人の女子高生、藍美と波が繰り広げるラブコメディ。という体の、限界霧尾リアコオタク達によるギャグ。の皮を被った青春ドラマ。これらすべての要素を見事に組み上げ切った怪作

基本は藍美と波が霧尾について語らい合う形で進み、徐々に同級生や霧尾本人との話も増えていきます。見た目はギャグチックなラブコメですが、実は霧尾、藍美、波それぞれの想いが交錯した人間関係ドラマが本当の姿。改めて読み返すと1話時点からすでに伏線が張られているくらいには練られた作品です。

青春もカオスも切なさも面白さもすべてを綯い交ぜにしたものがここにはある。それでいて破綻していないのが素晴らしい。序盤は恋愛を題材にしたギャグが主軸なので勘違いしがちですが、実は真面目な青春ドラマをギャグで温めているという構図の作品。メインの3人の行動には深い理由があり、ギャグ抜きで見ると実に心に訴えかけられます。ともすればしんみりした気持ちにもなるところですが、限界オタクと仲間たちによる面白ギャグのおかげでうまくバランスをとっている。このバランス感覚が非常に絶妙で、クセになってくること間違いなし。

ギャグとしては、意味不明な顔芸と台詞で笑わせてくることが多い。いや、本当に意味は分からん。だけど面白い。極端な下ネタはありません。作画は結構好みが分かれそうな感じ。波はともかく藍美は可愛く描かれないことが多いので、気になる人は気になるかも。

今回久しぶりに読み直して、波の伏線は結構ガッツリ張っていることに気づきました。表紙がすでに、ね。なんで全然気づかなかったんだ.....。こんな形で作者の掌で踊らされることもあるんだな~。作品の神髄を理解すればするほど、そのポテンシャルに驚かされる。そんな作品でした。全6巻です。

 

「誰か夢だと言ってくれ」

     

2組の青少年たちによる夢から始まる青春BL。明快なボーイズラブコメとして、真っ当な面白さを提供してくれる作品

小夜と樹の高校生組、大学生の晴人(樹の兄)と受験生の雨竜の年の差組の2組のカップルがメインキャラ。樹、雨竜が持つぬいぐるみの中に入るという不思議な夢を見るようになった小夜、晴人がそれぞれの相手と付き合うまでと、付き合ってからのひと悶着が描かれます。どちらかのカップルが主軸になって話が進むのですが、中盤以降はどちらのキャラもバランスよく登場し、お互いに交流がある様子も見られます。

キャラクター、ストーリー、日常の描き方等々、マンガが順当に上手で面白い登場人物はしっかり味付けされており、印象が薄いキャラや登場する意味を感じないキャラはいません。特にメインの4人は個性が強すぎず弱すぎずに調整されており、徐々に成長する様子も描かれます。またストーリーの展開速度も遅すぎず速すぎずで気持ちいい。ストーリー上の鍵である"夢"についても、ある程度の解釈の余地は残しつつちょうどいい締め方をしてくれました。

BLらしく普通にやることはやっており、それなりにシーンも多め。BL的にはツンデレ受けの小夜、煽り受けの雨竜という受けの個性が強めなのが特徴です。雨竜君周りは序盤ちょっと胸糞要素もあります。

全体を通してメリハリがあり、非常に読みやすい作品です。全10巻。単行本で読むとおまけが豊富なのでお得かも。

 

「この手を離さないで」

     

世話焼きα×トラウマ持ちΩのオメガバースBL。オメガバースだからこそ描くことのできる至高のストーリーが一押しの作品です

まずオメガバースの説明を。オメガバースは、男女とは別にα、β、Ωと呼ばれる第二の性がある世界のこと。このうちαとΩは男女関係なく"番"になることができ、その場合Ωは男でも妊娠できる、というのが最も大きな設定。あとはαはモテやすく優秀な人が多いとされている、Ωが持つ発情期という特性から疎まれることもある、といったところが特徴です。

この作品では、αであることに嫌気が差していた晴斗、Ωであることを隠して過ごしてきた雅の2人が主人公。晴斗が雅の学校に転校してくるところから始まります。雅はΩが理由で家族から捨てられたことがトラウマとなっており、劣等感とともにαへの嫌悪感も持ち合わせていましたが、あるきっかけで晴斗にバレてから一緒に過ごすようになり、晴斗が世話を焼いてくるうちに雅の心境も変化してくる、というのが1巻の展開です。2巻以降は、無事付き合い始めた2人が大学生活の中で未来を考えて成長していくという内容。

極めて高い画力で描かれる、群を抜いたストーリーはまさに至高。オメガバースの設定を十二分に生かしながら、2人の心情変化とともに、重たくのしかかる問題を心地よく溶かしていく物語が本当に素晴らしい。特に雅がトラウマをさらけ出し、新たな価値観を晴斗と育んでいくことで、自らの家族観を乗り越えるという成長を見せてくれた時は感動も一入。重苦しい部分もありますが、それ以上に幸せな日常も描いてくれるのは嬉しいです。そしてこれは言っておかなければなりませんが、画力が極めて高い。すんげえ上手いです。

オメガバースBLということもありエッチな場面はそれなりにありますが、必要な場面で差し込んでくるという印象が強く、ストーリー的な違和感はなし。巻が進むにつれてイチャイチャ度は増していきます。

今まで読んだストーリー主導型BLの中でも5本の指に間違いなく入る作品。全3巻です。ちなみに僕が初めて読んだオメガバースでもあるので、オメガバース読んでみるか.....?という人もどうぞ。

 

「転生したらパーティが男の子だらけだったけど断じて俺はショタコンじゃない!」

     

異世界に転生した男子高校生・カケルが、ショタたちに勇者と勘違いされて旅に出るショタハーレムなファンタジーコメディ。作者の性癖がこれまでか、と詰まっているショタコン製造機

物語は、人間と魔族が争う世界に召喚されたカケルが、聖職者のクリス(ショタ)や魔法使いのホウムズ(ショタ)に勇者と勘違いされて、魔王を倒しに行くというもの。道中で実際にカケルが勇者だと判明してからは、多くの人間(ショタ)や魔族(ショタ)と出会っていき、最終的に魔王(ショタ)と対峙することになります。四コマベースの作品で、内容自体はかなりギャグ寄り。ちなみにカケルは早い段階でショタコンに目覚めます。

とにかく作者のショタへの熱量が凄まじい画面には基本的に可愛いショタしか出てこず、大体の成人男女も魔法でショタ化されている始末。ショタコンなら見たいシチュエーション(ケモ耳、絶頂、精通、結婚、妊娠(???)etc.)を概ね網羅しているのではないでしょうか。知らんけど。ちなみにカケルもショタ化します。余すことがない。

物語の展開のスピード感は良いです。ただ、作画スペースに対して絵の情報量が多いことや、キャラデザインはそれぞれに特徴があるものの全員ほぼ同じ等身なので判別しづらいことなどは読みづらさを助長しています。

テーマはかなりニッチですが、刺さる層にはとことん刺さる良い作品だと思います。こういう作者の性癖がよく表れている作品は、読んでいて本当に気持ちがいい。全4巻。たまには性癖開拓にどうですか?

最後に一応言っておきますが、断じて僕はショタコンじゃないです。

 

 

ということで、今年完結のオススメ作品を紹介していきました。今年の最後がこの作品でいいのか.....?まあそれは置いておいて、来年も今年以上に新しい作品を増やしていきたいです。

それでは、よいお年を。